今始まるエクステリアショップのサクセスストーリー

   「エク・サス」
*みずきりょう著 *ワードデータ版 *2010年発行 *価格:2,000円(税込)

本当のエクステリアショップのサクセスストーリーが今から始まる。同時に、下克上の時代に入り、従来の有力店と新興店の勢力地図が激変する。このようなことを言うと、大多数のEX業界関係者は嘲笑するであろう。だが、それは事実だ。今まさにその幕が開こうとしている。

気づかぬ人が大部分だが、すでに数年前から準備は行われていた。そして実働の時代に入った。我々は、ユーザーのためにも、明日の業界のためにもこのチャンスを活かさなくてはならない。

では、サクセスストーリー実現の方法とは、正しい勝利者のあるべき姿とは・・・それを明確かつ具体的に示す・・・それがエク・サス

だ。



「マネジメント編」







16章 エクステリアショップ運営のための基本システム④


 
「粗利調整指数」の設置で、課題の解消を

しかし、現実には指摘した「経費」「原価」のボーダーラインを明確にして、かつ分類することは極めて困難。

そこで、各店の状況を分析し、本来「原価」に入れるべきお金が、どの程度「経費」に回っているか、概算でよいから割り出すことが必要になる。そして、例えば100万円の外構工事で、平均3万円程度は「工事原価」に入れるべきものがあるとすれば、帳面上の「粗利率(値入粗利)」から3%を引いた数字を「最終粗利」として計上する必要があるということ。これをこの項では「粗利調整指数」と呼ぶことにする。

となれば、35%の粗利率を目指すショップであれば、「値入」段階では38%に設定しておかなければならないということだ。つまり「3ポイント」がそのショップの「粗利調整指数」と言うことになる。

本来は、この「粗利調整指数」は物件ごとに設定するのが正しい。しかし、これまたエクステリアショップにとっては極めて困難で、店としての固定数値を設定し、年に一度この数値が適切か否か、チェックすると言う方式が最も妥当であろう。

もちろん、決算上の最終粗利率と値入時の粗利率にはズレが生じるが、それを承知の上でこの方式を採用しないと、適正な収益を確保することが難しくなってしまう。

このような基本的数値の把握を行うには、もう一つ忘れてはならない「大原則」がある。それは「物件ごとに売り上げ金額、値入粗利、最終粗利、商品原価、工事原価」のチェックを行うと言うこと。例えば、一つの店で月20件の現場があり、売り上げ計上したとしたら、20件別々に各項目を割り出し、チェックすると言うこと。

この点については、さすがに殆どのショップが行うようになった。従って、そのようなことは無いと思うが、全体の数値は分かるが、現場ごとの詳細は不明、と言ったことは絶対にないようにして欲しい。馬鹿にするなと、非難の声が上がるかもしれないが、念のため補足しておく。

高度な財務判断やバランスシートのチェックももちろん大切だ。しかし、企業規模の小さい割りには、仕事が複雑なエクステリア関連企業の場合は、最も初歩となる「売り上げ」「粗利」「材料原価」「工事原価」に関しても、計上ミス、誤った把握の仕方で、状況判断を誤ることも珍しくない。これを機にもう一度初歩的なチェックと、体制作りを行ってほしい。

 

「売り上げ」「粗利」「材料原価」「工事原価」「経費」「営業利益」の意味と、そのチェックポイントについて、理解してもらえたであろうか。

しかし、この点を理解してもらえたとしても、適正な粗利が35%程度という以外には、エクステリアショップの場合い、どの程度の売り上げを上げれば合格点なのか、どの程度の給与を払えばよいのか、どの程度の利益が上がれば良いのか、何も見えてこない。

そこで、以後その目安を明確にして、適切な利益を確保しながら、成長していくため必要な数値を明らかにしていく。