「納得!エクステリア講座」第41

激変するカースペースプラン!

 


 このシリーズ最後のテーマとして、カースペースを取りあげます。カースペースはプロントガーデンで最も大きな空間を必要とし、かつ、サイズ等に関する考え方が大きく変わりました。つまり、
10年前と現在ではプランポイントが激変したと言う事。では具体的にどのような変化が・・・

 

14章 カースペース最前線
 
 カースペースプランは具体的にどう変化したのでしょうか? 
1:サイズに対する考え方 2:配置に対する考え方・・・この2点が根本的に変わったと言う事。

 
 1:のサイズに関して。

 30年以上前は、車1台分=奥行5m×間口3m、車2台分奥行5m×間口5mと言う単純な発想でした。その後、ゲート類の発達やプランの多用化により、奥行きは5.8m程度あった方が良いと言う考え方に変わります。しかし、それにとどまらず現在では、<サイズフリー>と言う発想が支配的になっています。理由は、カースペースと言っても多目的使用が増えたため。車の多用化、自転車やシニアカー置き場兼用、大型品の収納を兼ねる、アプローチ一体型の増加、などがその理由。

  
 従って、<まず用途をピックアップ〜それに合わせたややゆったりサイズカースペース>と言った発想でサイズ取りするのが現代の基本。だからこそ、従来では考えられたい中途半端なサイス・変形タイプが急増しています。しかし、このような発想による弊害も! 特に地方都市の場合、必要以上に広いカースペースが急増し無駄が目立ちます。極端な場合は、<フロントガーデンで余った空間は全てカースペースにしておけばよい>と言ったケースさえ・・・

  
 例えば、どれだけ余裕を見ても、奥行7m以上のカースペースなど不要であるにもかかわらず原則無視。アプローチ部分を除けば、全てカースペース。等々。これでは、エクステリアプランとは言えません。

 

2:の配置関連。

 最大の変化は勝手口・ユーティリティスペースとカースペースの関係性等によるもの。勝手口とカースペースを連動する。ユーティリティスペースとカースペースが一体化していれば、よりゆったりと作業が出来る・・・と言った理由。従って、狭小地の多い大都市部では<カースペース・アプローチ一体型>が増加する一方、地方都市では勝手口・それに繋がるユーティリティスペース側にカースペースを持っていき、門廻り・アプローチとの繋がりはあまり重視しないプランが増えています。

 

あまり細かな事はともかく、現代のカースペースとはそれほど多様性が強まり、より柔軟な発想で<お客様本位・目的本位>でプランを作成するケースが急増していると言う事! 基本の習得は重要だが、それが固定観念となってしまえば、ついて行けなくなると言う事です。


一口アドバイス。

「基本・常識を一度白紙に戻し、カースペースプランにチャレンジ!」

(みずき りょう) 



41:敷地

 道路側の敷地を全てカースペースに!・・・都市部でよくあるタイプ。しかも、変形敷地にピッタリの特注カーポートを設置!



41:基本

最もオーソドックスな2台用カースペース!・・・残念ながらこのようなタイプはむしろ少なくなってきている。



41:縦列

縦列タイプのカースペース!・・・このような場合、少し駐車が難しくなるので、なるべく余裕のある長さ(間口)と奥行きを!