みずきりょう

<ライター「みずきりょう」のブログ> インド哲学・仏教関連の著作物、エクステリア(住まいの屋外空間)・ガーデン関係の著作物を随時連載していきます。 ご愛読いただければ幸いです。

カテゴリ: 「現代住宅植栽考」



「現代住宅植栽考」
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個性的表現を重視する植栽とは?

 


 本題のプライベートガーデンの植栽ポイントを検証していきます。
1ポイントは「個性的な表現を重視する植栽」

 

この1ポイントが、外構(フロントガーデン)とプライベートガーデンの最大の相違とも言えます。見方を変えれば、プライベートガーデンの植栽より個人・家族の個性・趣味等を重視した植栽と言う事になります。だからこそ、常識に囚われない大胆な演出・構成を試みましょう。

 

とは言っても、悪趣味であっても良いと言う事にはなりません。従って、様々なパターン・デザインの勉強(研究)も大切な要素。と言うより、そのような勉強自体が楽しみであるとも言えます。そこで、代表的なデザイン・パターンを列記しておきます。

 

純和風、和モダン、洋風モダン、北欧風、南欧風、中東風、イングリッシュガーデン、カントリー&ナチュラル(キッチンガーデン、等も含む)、フレンチガーデン、アジアンテイスト、等々。この中で、欧米系統のデザイン・パターンの場合は、バラが特別な地位を占める事も補足しておきます。

 

以上の代表的デザイン・パターンの中でも、和モダン、イングリッシュガーデン、カントリー&ナチュラル、中東風、アジアンテイスト、などの人気が特に高い事は周知の通り。ただし、人気のデザイン・パターンでも、広いプライベートガーデン向きのものと、小さなスペースでも対応可能なものとがあり、条件に応じて使い分ける事も大切な要素となります。

 

例えば、イングリッシュガーデン、カントリー&ナチュラルなどは広いプライベートガーデン向き、和モダン、中東風、アジアンテイストなどは、コーナー演出の仕方によっては、狭いプライベートガーデンでも上手く取り入れることが出来ます。例えば、最も贅沢なガーデンの1つである中東風の場合も、白い壁面(塀)を造り、そこにエキゾチックな壁泉を設置し、熱帯・亜熱帯を感じさせる樹木・草花を配するだけでも十分にその雰囲気を作り出すことが出来ます。本物の水を使う場合も、手軽なグッズも多数販売されるようになりました。アジアンテイストの場合も、木製の格子タイプフェンスを背景にして、バリグッズを配置。そこに、熱帯系統の植物を加えた植栽を施すだけでも、十分その雰囲気を味わうことが出来ます。

 

だからこそ、デザイン・パターンに囚われない貴方だけの演出も魅力的ですが、何かのデザイン・パターンにこだわりチャレンジするのも、プライベートガーデン造りの大きな楽しみとなります。勿論、デザイン・パターンでは無く、特定の植物だけを収集するのも面白いでしょう。

さらに補足しておくと、近年は北欧風の人気が急速に高まっています。スウェーデン出身のファニチャー企業「IKEA」の存在が大きく影響しているからでしょう。パイン材(欧米のマツ材、代替え針葉樹でもOK)のフェンスとイングリッシュガーデン風の植栽を、シンプルに纏めるのがポイントとなりますが、そのような流行を追うのもまた楽しみの1つでしょう。

 

一口アドバイス。

「独創性優先も良! 人気のガーデンデザイン・パターンにこだわるのも良!」

(みずき りょう)

26:イングリッシュガーデン

イングリッシュガーデン:自然感覚を生かしたボリューム感のある植栽が魅力


26:カントリーガーデン


 
カントリー&ナチュラル:いつもNO1

に近い人気。自然観とその魅力をアップする経年変化を感じさせるグッズの使い方がポイント



26:アジアンテイスト


アジアンテイスト:バリのイメージが原点。コーナー演出も可能で、ベース造りをプロに、そして植栽・グッズ等はあなた自身が少しずつ整え、楽しみながら自慢の空間へ・・・




「現代住宅植栽考」
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プライベートガーデンとその植栽!

 


 現代のプライベートガーデンとはどのようなものか、その確保がどれだけ大きな意味を持つか、確認しました。
でも、ようやく確保したプライベートガーデンも、植物が無ければ無味乾燥で味気ない物となる可能性大。例えば、バーベキューコーナーをベースとしたプライベートガーデンでも、周辺に緑があるのとないのとでは大違い。

 

そして、既に取り上げた外構(フロントガーデン)とプライベートガーデンの植栽では決定的な違いがあります。にもかかわらず、日本の場合はその違いがあまり意識されず、結果プライベートガーデンを有効に使いこなせていないと言った例が目立ちます。だからこそ、両者の相違をここで再確認し、より有意義なプライベートガーデン(あるいはプライベートライフ)を創って行こうではありませんか。

 

ここで、フロントガーデンとプライベートガーデンの定義の確認。「フロントガーデン半公共的空間」「プライベートガーデンプライベート空間+メインガーデン」以上です。

 

当たり前の事を何故再確認したかと言うと、プライベートガーデンはもっと自由で個性的なものであって良い、メインガーデンである以上もっと贅沢をすべきだ・・・以上2点を強調する為。同時に、その植栽に対しても、この2点が基本となります。そして、前者に関しては誰でもが納得できること。しかし、後者に関しては大きな抵抗があるように感じられてなりません。というよりも、罪悪感に近い印象を受けることさえあります。

 

贅沢と無駄遣いとは異なります。むやみにお金をかけるということでもありません。むしろ、精神的側面のほうが大きいでしょう。そう、ゆったりと時間を過ごす、家族との団欒を重視する、趣味を大切にする・・・といったことです。ただ、結果として一定のお金は必要となります。

 

にもかかわらず、旅行、屋内での趣味、外食、カーライフ、ゲーム、音楽・演劇・芸術作品等の鑑賞、などと比較すると、プライベートガーデンにかける予算はあまりにも少なすぎる。これが現状。でも、欧米ではむしろ逆であり、昭和の前・中期以前も同様でした。だからこそ、プライベートガーデンにもう少し多くの時間とお金をかけても良いと言う発想を持たないと、何も始まりません。その発想がないため、生活文化そのものが貧困になっているとさえ言えます。

 

以上を前提にプライベートガーデンの基本的な植栽ポイントを列記しておくと、1:個性的な表現を重視する 2:そのための演出として周辺機器が極めて重要になる 3:作業自体が楽しいものである・・・という点が重要になります。次項からは、この3ポイントについて、もう少し詳しく検証していくことにしましょう。

 

一口アドバイス。

「プライベートガーデンにもう少し時間とお金を! それが生活改善に!」

(みずき りょう)



25:フランスの庭


「一番美しい庭」と言う評価宇受けたガーデン(フランス・個人邸):ちょっと極端な例だが、プライベートガーデンにこだわる国・人ほど間違いなく文化度が高い。



25:小さな庭

掃き出し窓前の小さなプライベートガーデン:小さな空間でも、こだわりが暮らしに潤いを・・・



25:コンテナ

 こだわりのコンテナガーデン:1つのコンテナでも、そこは貴方の夢空間。




「現代住宅植栽考」
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現代のプライベートガーデンABC④!

 


 引き続き、大都市部で主力・
Cタイプ住宅のプライベートガーデンについて・・・

 

C:敷地200㎡未満のプライベートガーデン(続)・・・Cタイプの一戸建て住宅に、屋上・ベランダ以外でプライベートガーデンを造ろうとすれば、ガレージの屋根上を使うか、デッドスペースを見つけ出し活用する以外にありません。そして、ガレージ屋根上に関しては前項で説明したので、この項ではデッドスペースの見つけ方と活用方法について述べます。

 

デッドスペースで最も見逃しやすいのは、後方とサイドの臨地境界・道路境界部分。特に、同周辺が低い場合傾斜処理(法面<ノリメン>)されており、仕方なく放置している場合が多いもの。そう、ここを使いましょう。この場合、傾斜部を水平にして使うと、意外に広いスペースを確保出来ます。当然、水平にした部分をプライベートガーデンにすれば良いと言う事に成ります。

 

ただし、一般のお客様の場合、ブロック等で土留めを造り土を入れれば水平の土地が得られると思いがちですが、対多数の場合は不可能です。その詳しい理由については、構造と法的な問題が絡むため、高度な専門知識と膨大な紙数を必要とします。従ってここではカット。ただ、どうしても詳しい理由が知りたい方はegg-加盟店へご来店の上確認してださい。図面等の専門資料を使いご説明します。

 

では、どうすれば良いか。答えは=ハイデッキのような物を設置すればOK 鋼製・コンクリート製・木製・その複合タイプなどがありますが、木製が最も手軽(材料選び・的確な施工方法を行えば強度・耐久性に問題なし)で使いやすいでしょう。ただし、土留めを造り土を入れると言う対応が可能であった場合も含め、かなりの費用が掛かります。この点は事前了解を。最も、ガレージバルコニーと同様、地価が高い大都市部では費用を掛けるだけの価値は十分。

 

ただし、隣家・道路等から丸見えであるケースが多いので、どの程度の目隠しフェンスが必要かよく考え、必ずプランに含めて下さい。

 

その他のデッドスペースとしては、掃出し窓前等が有力候補。この場合も殆どが外部から丸見え。従って、目隠しプランを優先して、その内側をプライベートガーデン、外側をフロントガーデンにと言う形で使い分けてください。ただ、広い空間を確保出来る事は稀(デッキ・タイル貼テラス等を設置しても小さなサイズとなる事が多い)。従って、特にプライベートガーデン側は立体的に空間を使う工夫がプランポイントとなります。

 

以上で、現代住宅で即応できる、プライベートガーデンスペースの確保方法説明終了。この、「現代住宅植栽考」1クラス上の植栽の使い方を習得していただくのが目的。にもかかわらず、プライベートガーデン用空間の確保方法について詳しく述べました。その理由は、プライベートガーデン自体が極めて少なくなり、まずその場所を確保しないと、植栽の研究をいくら行っても役に立たないためです。それでは、準備が整いました。次項からは、最先端のプライベートガーデン用植栽とはどのようなものか、一緒に考えていく事にします。

 

一口アドバイス。

「法面と掃出し窓前を見直そう! そして夢のプライベートガーデンを!」

(みずき りょう)



24:ハイデッキ

傾斜のあるデッドスペースを有効活用して、プライベートガーデンを造ろう。木製ハイデッキはそのための最も有効な手段!



24:掃き出し窓


外部から丸見え。だから掃出し窓前が有効活用されていないケースが意外に多い。



24:デッキ&目隠し

 
掃出し窓前の適度な位置の目隠しフェンスを設置。そこから全てが始まる




「現代住宅植栽考」
23

現代のプライベートガーデンABC③!



 引き続き現代のプライベートガーデンについて。この項からは、最近非常に多い
Cタイプの一戸建住宅について詳述します。

 

C:敷地200㎡未満のプライベートガーデン・・・Cタイプの場合は、駐車台数により多少条件が変わりますが、残念ながら一般常識的なプライベートガーデンを確保する事は困難です。従って、1:カースペースの屋根部を使う 2:デッドスペースを活用しミニプライベートガーデンを造る・・・と言う2つの方法しかありません。しかし、この工夫を行う事で、ガーデンライフを満喫出来る可能性は十分。従って、狭いと諦める前にぜひエクステリア専門ショップにご相談を!

 

では、12について、具体的なプライベートガーデン作成方法を提示しておきます。最初に1のケースですが、ズバリ「ガレージバルコニー」を設置してください。この方法であれば、一戸建現代住宅の場合、カースペースを持たない例は極めて稀であるため、ほぼ100%プライベートガーデンを手に入れることが出来ます。しかも、1台用のカースペースで15㎡(4.5畳の部屋と同程度)以上、2台用のカースペースで25㎡(8畳のダイニングキッチンと同程度)以上の空間が手に入ります。

 

「でもそれだけのコストがかかり贅沢」当然こんなご意見をよく耳にします。その通り。具体的には、ガレージバルコニーの設置費用だけで、1台用で150万円程度・2台用で250万円程度(ごく大雑把な目安で、条件により価格はかなり変わります)必要でしょう。ただし、このような住宅は大都市部に多い、敷地が狭い分新築時のコストが安かった、と言う2点を見逃すべきではありません。

 

大都市部であれば当然地価が高い。となれば、空間自体も算定すれば極めて高価。その高価な屋外スペースを平面的にしか使わない事の方がモッタイナイのではないでしょうか。また、新築時にある程度安くお住まいを手に入れたのであれば、その後に暮らしを豊かにするための多少の贅沢は許されるはず。だからこそ、ガレージバルコニーはもっと普及すべき商品と言うべきです。

 

ただしガレージバルコニーは、デザイン・機能に加え構造物であると言う本質を見逃してはなりません。なぜなら、エクステリア専門ショップの場合、構造物を造る技術に難点がある場合が多いから。しかし、建築(住宅)業者の場合、エクステリア自体のノウハウを持っていません(例えば屋外での木材の使い方、等)。従って、ガレージバルコニーの発注に関しては「構造物にも強いエクステリア専門店」を選ぶ必要があります。

 

だからこそegg-加盟店なら安心。理由は、「木匠(もくしょう)」(egg-加盟企業)と言う木材のオーソリティーとタイアップしており、そのノウハウがガレージバルコニーのような構造物にも活かされているため。


一口アドバイス。

「ガレージバルコニーで狭小住宅にも夢のプライベートガーデン!」

(みずき りょう)


23:トラスタイプ

 「木製立体トラス」を使ったガレージバルコニープラン。このタイプはegg

グループした造れない


23:夢空間


そしてガレージの上は余裕たっぷりの夢空間(プライベートガーデン)


23:変形地

変形地に設置したガレージバルコニー 
 


23:2台用

変形地に設置したガレージバルコニー  




「現代住宅植栽考」
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現代のプライベートガーデンABC②!

 


 現代住宅のプライベートガーデンについて検証中。この項では、最近非常に多い
Bタイプの一戸建住宅について詳述します。

 

B:敷地200㎡以上だがほぼ全てがフロントガーデン・・・敷地には余裕があってもこのタイプの住宅が近年急増しています。一般的特色としては、住宅配置自体を後ろ側(メインの道路と反対側)に寄せ、前面部の面積を広くすると言う傾向が強くなります。敷地を分断することなく、有効に使うと言う判断によるものでしょうか。2台・3台+α駐車を想定しこのような配置にしたと言うケースも多くみられます。

 

ただし、エクステリアのプロからすると、無駄で使い道のない死に空間となっている場合の方が多いもの。例えば、カースペースの場合、奥行きが6mあれば十分。これだけあれば建物側に自転車・バイク・シニアカー等を置くことも可能です。にもかかわらず、奥行きが78m以上もあるような住宅配置も珍しくありません。住宅側の12mを植栽空間等に使えば、勿論無駄は無くなりますが、そのような配慮とは思いにくい物件の方が、実際には多く見られます。

 

となれば、メインの道路から6m6.5mの位置に仕切り(目隠しフェンス、等)を設け、同じ植栽空間を造るにしても、道路側をフロントガーデン用植栽・建物側をプライベートガーデン用植栽にすべきです。この処理により、プライベートなガーデンライフを楽しむことが可能となり、住生活そのものの充実化につながるから。

そして、仕切りの内側に空間的余裕があれば、デッキ、テラス、パーゴラ、ガーデンルーム等を用途に応じ設置し、より充実した空間とする事も可能です。

 

同じ発想で、臨地境界側・サイドの道路側等に余裕があれば、必要部分に仕切りを設け、その建物側をプライベートガーデン化する事をお勧めします。勿論、内側の使い方はカースペース奥と同じ。従って、敷地200㎡以上だがほぼ全てがフロントガーデンと言う住宅に関しては、昭和前・中期のように全体を塀や生垣で囲むと言う発想では無く、必要分を目隠しフェンスで囲み、目的・ご予算に応じたプライベートガーデンを造ると言う新しい発想とプランが求められます。

 

視点を変えれば、クローズ外構(サラセン式)ではなく、セミクローズ外構的発想を基本として、お客様の目的に応じより大胆かつ個性的な発想でプランを纏める事がポイント。従って、このシリーズの本題「植栽」に関しても、プライベートスペースに関してはより個々の思考に合わせたより斬新なものとなるでしょう。それには、古い造園業的思考ではなく、新感覚のエクステリア専門ショップでこそ対応可能なプレゼン能力が必要になります。また、プライベートガーデンで少し贅沢をすると言う、お客様自身の意識改革も必要になります。


一口アドバイス。

B:広いが全てがフロントガーデン、と言う住宅に求められるもの?」

(みずき りょう)



22:必要な奥行き


カースペースに必要な奥行きは決まっている。だからこそ、余裕があれば建物側をリフォームし憧れのプライベートガーデンに・・・


22:カースペース奥

 
カースペース奥にまず本格的な目隠しフェンス。そして、建物側を大胆な発想で貴方(ご家族)だけのプライベート空間に! きっと、暮らし自体に変化が!



22:目隠し


現代のプライベートガーデンプランは、まずしっかりとした目隠しフェンスから。そこから最適プライベートガーデンプランを創ろう!


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