「現代住宅植栽考」 第26回
個性的表現を重視する植栽とは?
本題のプライベートガーデンの植栽ポイントを検証していきます。第1ポイントは「個性的な表現を重視する植栽」。
この第1ポイントが、外構(フロントガーデン)とプライベートガーデンの最大の相違とも言えます。見方を変えれば、プライベートガーデンの植栽≒より個人・家族の個性・趣味等を重視した植栽と言う事になります。だからこそ、常識に囚われない大胆な演出・構成を試みましょう。
とは言っても、悪趣味であっても良いと言う事にはなりません。従って、様々なパターン・デザインの勉強(研究)も大切な要素。と言うより、そのような勉強自体が楽しみであるとも言えます。そこで、代表的なデザイン・パターンを列記しておきます。
純和風、和モダン、洋風モダン、北欧風、南欧風、中東風、イングリッシュガーデン、カントリー&ナチュラル(キッチンガーデン、等も含む)、フレンチガーデン、アジアンテイスト、等々。この中で、欧米系統のデザイン・パターンの場合は、バラが特別な地位を占める事も補足しておきます。
以上の代表的デザイン・パターンの中でも、和モダン、イングリッシュガーデン、カントリー&ナチュラル、中東風、アジアンテイスト、などの人気が特に高い事は周知の通り。ただし、人気のデザイン・パターンでも、広いプライベートガーデン向きのものと、小さなスペースでも対応可能なものとがあり、条件に応じて使い分ける事も大切な要素となります。
例えば、イングリッシュガーデン、カントリー&ナチュラルなどは広いプライベートガーデン向き、和モダン、中東風、アジアンテイストなどは、コーナー演出の仕方によっては、狭いプライベートガーデンでも上手く取り入れることが出来ます。例えば、最も贅沢なガーデンの1つである中東風の場合も、白い壁面(塀)を造り、そこにエキゾチックな壁泉を設置し、熱帯・亜熱帯を感じさせる樹木・草花を配するだけでも十分にその雰囲気を作り出すことが出来ます。本物の水を使う場合も、手軽なグッズも多数販売されるようになりました。アジアンテイストの場合も、木製の格子タイプフェンスを背景にして、バリグッズを配置。そこに、熱帯系統の植物を加えた植栽を施すだけでも、十分その雰囲気を味わうことが出来ます。
だからこそ、デザイン・パターンに囚われない貴方だけの演出も魅力的ですが、何かのデザイン・パターンにこだわりチャレンジするのも、プライベートガーデン造りの大きな楽しみとなります。勿論、デザイン・パターンでは無く、特定の植物だけを収集するのも面白いでしょう。
さらに補足しておくと、近年は北欧風の人気が急速に高まっています。スウェーデン出身のファニチャー企業「IKEA」の存在が大きく影響しているからでしょう。パイン材(欧米のマツ材、代替え針葉樹でもOK)のフェンスとイングリッシュガーデン風の植栽を、シンプルに纏めるのがポイントとなりますが、そのような流行を追うのもまた楽しみの1つでしょう。
一口アドバイス。
「独創性優先も良! 人気のガーデンデザイン・パターンにこだわるのも良!」
イングリッシュガーデン:自然感覚を生かしたボリューム感のある植栽が魅力
カントリー&ナチュラル:いつもNO1
に近い人気。自然観とその魅力をアップする経年変化を感じさせるグッズの使い方がポイント
アジアンテイスト:バリのイメージが原点。コーナー演出も可能で、ベース造りをプロに、そして植栽・グッズ等はあなた自身が少しずつ整え、楽しみながら自慢の空間へ・・・